最適な海外進出形態の決定方法とは?

海外事業の進出形態についてのご質問が当社には多く寄せられます。
とりわけ外資規制と事業の主導権の確保についてのご質問が多くなっています。

海外進出の形態

海外進出の形態というと、一般的には下記のとおりですが、どの形態にするかが問題です。

  • 単独出資=100%資本
  • 合弁 ジョイントベンチャー(JV)
  • 複合形態 クロスバリュー
  • フランチャイズ
  • 技術・ノウハウ供与
  • 既存企業の買収(M&A)

当社で多くなっているのが、どの形態をとるか、決定過程全体のサポートを行う「意思決定支援プログラム」を提供するケースです。

この業務の中で、私どもが多く遭遇する問題点は、成功事例・失敗事例または自社の状況と似た事例のケーススタディなどの検証が不足していることです。
海外推進プロジェクトチームや準備室といった形で組織的対応を行っているとしても、検証不足の場合正しい結論に至ることは難しいといえます。

組織が正しく決定するための合理的な選択肢が検証によって得られていないためです。
また、中堅・中小企業においては、大掛かりな組織を作っての対応は難しいと同時に必ずしも必要と言えず、検証を実質的に正しく行うことが重要と考えられます。

私どもは検証の前提条件を準備する段階から、以下の手順でワンストップ・サポートを提供し、十分な検証のうえで、海外進出形態の決定を行えるようサポートいたします。

海外進出PROの「意思決定支援プログラム」の概要

検証の準備

検証のための前提条件の検討・設定は、この手順に従って行います。

  • 徹底した情報収集
  • 複数案(本案と代替案の)作製
  • 必要があれば代替案の選択
  • 状況判断
  • 計画の実施
  • フィードバック

海外進出前に、計画の実施とフィードバックを得ることは無理ですので、できるだけ予測可能性を上げるべく、徹底した収益シミュレーションを行います。
また、成功事例・失敗事例からはフィードバックが可能ですので、比較検討材料として用います。
これらの手順のどれが抜けても検証の前提条件の設定としては不十分です。

特に、案の中でも、重要な要素となるのが、枠組みです。
投資と収益の形態の基本的な仕組みであり、「事業スキーム」ともよばれます。
この枠組みは、

  • 外資規制等の法規制にてらして、合法で可能であるかの観点から
  • 出資形態および契約形態を巡る交渉の中心点として
  • 収益性の確保の観点から

それぞれ徹底して検証され、決定されることが必要です。

また、後にも述べますが、枠組みは複数用意して考えてまいります。
というのも、収益性を実際にシミュレーションのうえ検証した場合、その結果から枠組みをもう一度検討することが必要になるケースもございます。
最適な選択肢を決めるために、可能性のある選択肢を用意しておくことも当社のサポートの内容となります。

形態の選定と検証

・合法・可能な枠組みの選択肢はなにか

外資規制、という言葉をご存知と思います。
事業の枠組みを考える際には、この外資規制により合法性・可能である、といったことが確保されなければ選択肢から外れます。

たとえば、タイの出資規制は、過半数の株主がタイ人でないと、外資規制に触れてしまいますので、タイの現地にパートナーが全くいない状態では、タイへの進出自体、海外進出の選択肢から外れることとなってしまうでしょう。

しかし、パートナーがいる場合には、日本の親会社の直接支配ではなく、
①親会社が日本人50%、タイ人50パーセントの資本比率で会社(子会社A)を設立し、
②さらにこの会社が孫会社=子会社Bを設立する出資枠組みで、子会社Aによる支配比率51%に対して、親会社49%でタイに法人を設立すると、子会社Bの親会社による間接支配により単純計算で73.9%までのマジョリティ支配が可能になります。

フィリピンの飲食店も、仮に複数店舗により展開しようとすれば現地における出資規制対象になります。一般的には、

i)マイノリティ出資をしておくことにする。
ノウハウも100%供出して、リターンは半分以下になるのがデメリットではあるが、事業目的からは仕方がない。

と考えるか、または、

ii)事業をフランチャイズ形態にする。
契約不履行のリスクがデメリットであるが、フランチャイジーとは契約に従って収益を分配できる関係である。

と考えるところかと思います。

しかし、支配権のありかが事業の機動性の確保やマネジメントの一貫性などの観点から妥協できないケースであって、どうしても直接出資し、マジョリティの支配権を持ちたいといった場合は、飲食店以外の事業目的の会社をマネジメント会社として設立し、その下に現地パートナーとの共同出資会社を設立し、運営会社として複数の店舗を統括させることを検討すべきことになります。

利益を日本側支配権者に直接に還元するとなりますと、下記事業スキーム図のように、店舗側と共同出資会社とでリース契約・レンタル契約を結び、最終的にはマネジメント会社への出資配当や、共同出資会社との請負契約・コンサルティング契約を通じた還元を行うことにより、実現が可能です。
これらの契約交渉についても、当社でサポートいたします。

さらに言いますと、合法=可能というケースだけではなく、実務慣行・現地の最新情勢から合法であることと可能であることにずれが見られるケースもあります。
法令の文理よりも厳しくなるケース・緩く実務慣行が確立されているケースといった例です。
この点につき、徹底した情報収集を行うことも当社のサービス内容として含まれております。

決定した枠組みの収益性の検証

出資形態・利益の還元の方法など、海外進出の枠組みが決まった後は、実際に行う事業のシミュレーションを計算していき、収益性の検証を行います。
そして、収益性の検証において、枠組みが適切妥当でない、という場合は、枠組みの選定について代替案の採用も視野に入れ、見直すことも必要になります。

複数枠組み クロスバリューの採用による海外進出リスクマネジメント

枠組みを考える際に、もっとも重要なのは、どの枠組みであれば、川下からいかに収益を上げて、事業を長期にわたって展開できるか、という点になります。
収益性の十分な確保ができないリスクが最大のリスクと言えます。

この点、当社は川下からの収益を上流に遡って計算していく方式により、枠組みに数字をあてはめたシミュレーションを行うことをお勧めしております。
正攻法であって、とくに変わった手法をとる、ということではありませんが、もっとも確実であると考えられます。

事業リスクの回避という観点からも、枠組みの選定は重要です。
ここで、一つ重要な観点は、「柔軟性」ということができます。
確かに進出形態はシンプル・イズ・ベストであり、単独出資の100%日系の会社を作り、マネジメントもオペレーションもすべて支配権を握ることができて、かつ、収益性も十分であれば問題はありません。複雑な枠組みを作ることにより、不確定要素も増大してしまいます。

しかしながら、実例を見ますと、日系企業の海外進出は、意思決定における現地パートナーの大きな影響力(政府事業とのジョイントベンチャーなど)・ブランド・技術の出資・現地パートナーが複数になるなど、リスクも収益を得るための仕組みも多様です。
初期投資・交渉の煩雑さのデメリットもありますが、それらのリスクが克服できる見通しさえつけば、枠組みは事業の収益性にあわせ柔軟に決めることが求められるといえます。

最近の実例ですが、日本と現地の会社にそれぞれ販売・製造それぞれのノウハウでそれぞれの強みがあり、販売会社・製造会社の2つの会社をジョイントベンチャー形態で設立した例があります。
日本サイドには、製造・輸出販売の拠点及び販路に強みが、現地の会社には、現地販売網と、現地の製造拠点のマネジメントに強みがあった事例です。

このケースにおいては、販売会社を日系資本51%:現地資本49%とし、製造会社を日系資本49%:現地資本51%と逆の出資比率としました。
さらに日本側が第三国にホールディングスカンパニーを持っており、販売会社はこのホールディングスカンパニーから出資を受けています。

以下にあげる枠組みも、複数の出資ないし契約形態による枠組みを組み合わせたものです。
これらの枠組みを総称してクロスバリューと呼んでいます。

一見すると、複雑性が高く、また、商習慣の異なる中での難しい契約交渉も伴ったケースもあります。
しかし、こうした枠組みを利用した実例を見ますと、収益性・着実な川下からの利益確保のためには、やむをえない投資と労力であったといえるでしょう。
クロスバリューのケースも、お客様の側に立って、ワンストップで契約交渉を含めてサポートいたします。

  • 現地政府機関を含む現地企業とのプロジェクト事業
  • 事業統括/持ち株(ホールディング)会社をジョイントベンチャー形態で新設、別途事業会社もジョイントベンチャー形態で新設
  • 複数企業との3社以上での業務提携
  • 3国間での複数企業との業務提携
  • 技術移転を伴うジョイントベンチャー事業
  • 複数のジョイントベンチャー事業を同時に展開

海外進出PROの「意思決定支援プログラム」の特徴

当社のプログラムは、上記の様に、意思決定の手順に従い、中堅・中小企業の海外進出に関し、最新の情勢に照らした情報収集等、収益性検証の前提条件の設定・複数枠組の提示・収益性シミュレーション・交渉まで、可能な限り具体的な数値を示しながら海外進出の意思決定をサポートしてまいります。

  • 圧倒的にリアルな情報の質と量
  • 本案と事前案、代替案などの十分な選択肢を提示し、比較が可能
  • わかりやすい明確な評価基準つき
  • 可能な限り検討項目を数値化
  • 成功事例・失敗事例からのフィードバック

などがこのプログラムの特徴として挙げられます。

これらの特徴から、「意思決定支援プログラム」は海外に進出される中堅・中小企業の経営者の皆様からご好評をいただいております。

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