東南アジアではタイやマレーシアなどのように急激な経済成長を遂げている国がありますが、これらの国の強みは安い人件費です。先進国が安い人件費を目当てにたくさんの工場を建設することで、その国が経済成長を遂げてきました。ところが同じ東南アジアに属する国の中でもインドネシアの経済力はまだそれほど強くありません。人口が2億人を超える国ですので市場としての魅力はとても大きいのですが、周辺の国と比べて物価も安いといわれています。そこで、インドネシアで生活する際の物価は実際にどのぐらいなのか調べてみました。
現地の人が利用するスーパーでは食料品の物価はかなり安い
インドネシアの首都であるジャカルタや観光地として有名なバリには、大きなショッピングモールやコンビニなどもあり、生活水準としては日本と変わらないレベルを維持できます。しかし、食料品の値段に関しては日本と比べるとかなり安いのが特徴で、例えば500ミリリットルの水が日本円では30円程度、米5キログラムが600円程度で買うことができます。他にもキャベツ1玉が100円程度、スイカ1個に至っては150円程度で購入することができるのです。(以下、為替レート0.008511で計算)食材によって割合は異なりますが、日本の平均的なスーパーで購入するのと比べると50%から30%ぐらいの値段といえます。また、インドネシアはイスラム圏ですのでアルコール類は他の食材と比べて値段が高めに設定されており、日本の価格と比べても70%程度の値段となっています。
ただし、これらの値段は現地の人が食料品を買うスーパーの値段です。インドネシアには日本からの観光客や現地に滞在して仕事をしている日本人も多く、日本食を扱うスーパーがあります。このようなスーパーを利用すると先ほどよりも値段が高くなることが多く、場合によっては日本で購入するよりも食費が高くつく可能性があるのです。例えば、日本食を扱うスーパーで米5キログラムを購入すると1,500円ぐらいします。現地の人が購入するようなスーパーと比べると2.5倍も高くなり、日本で購入するのとそれほど変わらない値段まで跳ね上がることがあるので注意してください。
現地の人の平均年収は3万円程度
インドネシアにおける現地の人の年収は、日本と比べてかなり低いです。インドネシアという国は大小1万以上の島から構成されているため、島や地方によって物価や賃金は異なることがあります。しかし、インドネシアで比較的物価が高いといわれている首都のジャカルタで働いている現地人の年収は2万5,000円から3万円程度だといわれているのです。バイトの時給は100円弱ともいわれており、東京の最低賃金である932円(平成28年10月1日発行)と比べると10分の1程度であることがわかります。
インドネシアに住むための賃貸住宅にかかる費用としては、シェアルーム(Kost)で4万円から4万5,000円程度、ファミリー用のコンドミニアムタイプの2LDKで13万円前後です。他にも、プルハマンという塀に囲まれている団地のような場所があります。このような場所だと24時間体制でセキュリティー対策を行ってくれていますが、その分、家賃は高めです。一軒家だと年間で10万円から40万円程度することがあります。コンドミニアムタイプは流石に値段が高く感じますが、郊外やもう少しランクを落とした物件であればもっと安く済ませることもできるでしょう。
インドネシアは暑い国!光熱費は少し高め
生活するうえで必要になるお金は他にも光熱費や交通費といったものがあります。まず光熱費はシェアハウスなど住む住宅の種類によっては家賃にもともと含まれている場合もありますが、月に5,000円から1万円程度です。インドネシアは赤道直下にあり、年中暑い国ですので、クーラー代がかかります。島や地方によっても異なりますが、基本料金だけであれば日本よりも安いところが多いです。
交通費については、インドネシアで働く場合、勤めている会社が運転手付きの自動車を貸与してくれることがあります。そのため、平日の交通費についてはかからないことが多いですが、ジャカルタなどでは休日の移動手段としてタクシーを利用することが一般的ですので、交通費がかかることがあるでしょう。タクシーの初乗り運賃は70円程度で、日本と比べても安いです。ジャカルタ市内の移動であれば500円程度も見ておけば大抵の場所に移動することができます。ただし、ジャカルタでは頻繁に渋滞が発生することがありますので、イライラせずに利用してください。
ここまでインドネシアの物価を紹介してきました。インドネシアの人口は2億人を超えており、東南アジアでは1位の人口を誇ります。その市場の潜在的な力は非常に魅力的だといえますので、海外進出を検討している方は情報を集めてみてはいかがでしょうか。
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