複数の形態を組み合わせた「クロスバリュー」による海外事業進出 

海外事業リスクを回避・分散させる事業形態

単独資本による100%支配の場合の海外事業進出は単純で普遍的であり、もっとも予測可能性の高い進出形態と考えられます。
複雑になればなるほど不確定要素が大きくなり、事業の見通しが利きにくい傾向が見られるといえます。

しかし、海外事業においては、投資規制や利益分配・現地での収益性確保のための前提条件を諸々考慮した場合、かかるシンプルで強い進出形態ばかりをとることは難しい場合も多く生じます。

実際には、下記のような複合形態がとられることがあります。

  • 現地政府機関を含む現地企業とのプロジェクト事業
  • 事業統括/持ち株(ホールディング)会社をJVで新設して別途事業会社をJV新設
  • 3社以上での業務提携
  • 3国間での複数企業との業務提携
  • 技術移転を伴う合弁事業
  • 複数の合弁事業を同時に展開

これらの複合形態=クロスバリューの実例に見るように、初期投資・利益分配の複雑性はあったとしても、いくつかの進出形態の組み合わせにより、事業進出を成功させることが可能です。
日本側・現地パートナーの利害得失を調整しつつ、それぞれの強みを最大限生かすことにつながるケースも多く、考慮に値します。

クロスバリューによる成功事例

成功事例

実際にあった例ですが、日本のメーカーA社が海外の企業B社と合弁事業で現地に工場をつくり自社の保有する独自の技術によって製造した製品を現地で販売するという場合を考えてみます。

 

A社・・・製品の製造技術・ノウハウを保有

輸出販売網を保有

B社・・・製造工場の運営に関するノウハウ・マネジメントノウハウを保有

現地の販売網は、B社が保有

 

外形上、ちょうど折半、と見えますが、実際には出資割合・コストと価格の兼ね合いなど、複雑な要素があり、A社の進出形態をどのように調整するかが問題になりました。

結果、製造合弁会社を、A社51%、B社49%の資本比率で設立、販売合弁会社はA社49%、B社51%の資本比率で設立しましたが、A社の出資分には、A社が第三国で保有する100%単独資本の統括子会社の出資分が含まれています。

GSWの海外進出サポート

海外進出サポート

二者間であっても、この実例に見るように、複数の合弁会社を持ち合うといった複雑な事業スキームが必要となるケースがあります。
そこで、私どもでは、「柔軟性」を一つのキーワードとして、進出形態の決定に必要な複合スキーム案を複数提示することができます。

初期投資が多額になり、契約も複雑になりがちであるのに、複合形態による海外進出を行う最大の理由は収益性の確保ということができます。
ですので、選択した複合形態に数字をあてはめ、徹底して収益性についてのシミュレーションを行います。

たとえば、エンドユーザーからどのように収益が上がるか、コストとともに計算し、進出形態に合わせた最適な利益分配率・投下資本回収年数等のキーとなる数字を算出します。

そして、これらの数字を基にした事業シミュレーションに基づき、条件を決定し、契約書や会社定款といった文書に落とし込みを可能な限り行ってまいります。
提携契約・合弁契約の交渉の間には、クライアント企業様に最大限有利な契約条件で契約締結ができるよう、支援業務を提供してまいります。

なお、収益シミュレーションについての方法をどのように行うべきか、よくご質問をいただきます。
私どもは、BtoBビジネスにおいても、川下=消費者・エンドユーザーの消費行動から川上へ遡っていき、収益性を計算する手法が収益性予測を確実にする正攻法であり、事業リスクを正確に予測することを可能にするものと考えております。

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