海外進出の問題点とは?課題やリスクマネジメントを知ろう

海外進出の問題点

海外進出にあたっては、国内事業以上に慎重な計画・対応が求められます。事業計画や戦略の策定から現地拠点の管理まで、幅広いシーンに対して綿密な計画を立て、リスクマネジメントを行うことがポイントとなります。海外進出を検討する場合に知っておきたい主な流れや注意点やリスクマネジメントの例をご紹介します。

海外進出の主なプロセスを知ろう

日本企業が海外展開を始めるにあたっては、まず主要な流れを知っておく必要があります。海外進出の方法にはさまざまなものがありますが、代表的な例としては、
1.事業に関する事業計画、戦略の策定
2.フィジビリティ・スタディの実施
3.拠点の設置
という流れがあります。
まず事業に関する事業計画、戦略の策定では、経営資源の投資計画や進出国の選定・評価などを行います。経営資源としては、「ヒト・モノ・カネ」をどれだけ投資するかが重要です。また進出国については、各国の政治・経済・社会状況をふまえた総合的な「カントリー・リスク」を評価していきます。進出国に目星をつけたら、フィジビリティ・スタディによって、実現可能性を検討していきます。現地調査やシミュレーションを通して、中長期的なリスクを算定するのが主な内容です。そして計画が確定したら、法律上の手続きや用地・機材の準備、人員の準備を通して実際に拠点を設置します。

整理しておきたいポイント

プロセスの中で、しっかり検討すべきポイントが4点あります。「目的の明確化」「経営の体力」「競争力」「スケジュール管理」です。まず目的の明確化では、なぜ海外展開をするのか、自社にとってどのような位置づけかを明らかにする必要があります。国内でもできることであれば、多額の投資をして展開する必然性がありません。自社の状況を客観的に分析し、目的を明らかにして、社内で共有することが重要です。また経営の体力では、事業計画が自社の経営資源や売上に対して適正であるかどうかを判断する必要があります。過大な事業計画は経営の負担になってしまいます。また競争力では、しっかりとマーケティング活動を行い、海外でも採算が取れる事業内容かどうかを確認しておくことが重要です。そしてこういった点を把握した後は、スケジュールを正確に組み、着実に行動していくことがポイントになります。手続きが遅れたり、資源の調達が間に合わなかったりすると、事業に支障をきたしかねません。大企業でも中小企業でも、これら4点のポイントを押さえたうえで、さらに詳細なリスクマネジメントを行うことが大切です。

リスクマネジメントの例

リスクマネジメントを行うべき局面は多岐にわたります。ここでは海外事業で想定しうる主要な問題点とその対策をご紹介します。まずは進出先の社会・経済・政治的状況によるリスクです。たとえば国際紛争が突如発生し事業が継続できず撤退を余儀なくされるといったケースや、日本と異なる商習慣によるトラブルといったケースが挙げられます。進出先の情勢について常に最新情報を取得し本社と共有することや、進出先での契約にあたっては支払いや在庫管理、不良品の対応や責任など、細かく契約書に明記しておくことがポイントです。また現地採用に伴う労務管理のリスクも想定できます。たとえば日本的労務慣行への反発によるストライキが代表的な例です。日本の集団主義的慣行は、他国においてはなじみのないものであることが多く、反発を受ける可能性があります。現地の慣行をあらかじめ調べたり、労務コンサルタントに相談したりした上で、柔軟に労務管理のルールを決めていくことがポイントです。このように、リスクマネジメントにあたっては、事前に想定しうる問題点を整理し、ルールや対応を決めておくことが重要です。もし想定外のトラブルが生じた際は、すみやかに専門家へ相談すると良いでしょう。

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